からだトピックス

　腰部筋筋膜炎や腰椎椎間関節の捻挫など、ぎっくり腰の急性期は冷やすことも重要な治療法の一つとなります。この判断の基準として、自発痛の有無（じっとしていてもズキズキ痛む、熱感があるなど）や、患部を動かせるかどうかが目安となります。動かせないほどの痛みの場合は、患部の炎症によって起こっている痛みであることが多いので、まずこの炎症を抑えるようにします。

　なるべく痛みの軽い姿勢（一般的には横向きで腰を丸める姿勢）で痛む場所を氷嚢などで10～20分よく冷やしてください。これを一日に数回繰り返し急性期の炎症を早期に抑えましょう。


【重症の目安】

　上体が斜めに歪んでいる、トイレがつらい、階段が苦しい、下半身にしびれや痛みがあるなどの症状は重症と考えられます。自己判断せずに早期に専門家の治療を受けましょう。

 

　急性期を過ぎた慢性の腰痛に対しては、腰痛体操が大切な治療法・予防法となってきます。腰痛体操とは慢性の腰痛に対し要背筋および腹部筋の強化により腰椎の支持性を高めることと、腰部・下肢の柔軟性を改善し腰椎にかかる負担を軽減させる目的で行う運動療法です。

　詳しくは ≫ニュースレターVol.6 腰痛体操特集号


 【日常生活での注意】

起床時・・・
まず身体を反転させうつ伏せになり、手をついて四つん這いから立ち上がるようにしましょう。

物を持ち上げる際は・・・
中腰や前かがみでは持たないように。しゃがみ込んで物を身体によせ、膝を伸ばして立ち上がるようにして持ち上げること。

椅子の高さについて・・・
股関節、膝関節が90°になる高さがよい。なるべく背もたれ、肘かけがあるものにする。

姿勢の大切さ・・・
姿勢によって腰にかかる負担は大きく変わります。体重70kgの人は立っているだけで腰に100kgの力がかかります。軽くおじぎをすると150kg、椅子に座っておじぎをすると180kgにもなります。同じ姿勢を長く続けないよう心掛けましょう。


【腰痛改善ビタミン】

　栄養の面から腰痛予防・腰痛改善を考えると、まず筋肉に疲労物質がたまるのを防ぐビタミンB1、神経の働きに必要なビタミンB6、末梢神経の修復に関与するビタミンB12をしっかり摂ることが必要です。また、ビタミンEは若返り（老化防止）のビタミンとも呼ばれ血流の循環をよくするのに役立ちます。以上のビタミンは腰の痛みの回復には欠かせない栄養素です。ビタミン以外では筋肉を作るタンパク質もしっかりと摂ってください。

　ビタミンB群が豊富な食品・・・モロヘイヤ、アスパラガス、レバーなど
　ビタミンEが豊富な食品・・・アーモンド、サンマ、イワシ、ほうれん草など
　タンパク質が豊富な食品・・・肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品など


【治療開始の目安】

　朝起きたときに痛みがある場合や咳・くしゃみをして痛みがあるときなどは、治療が必要な時期です。お近くの接骨院・整骨院を受診してください。